「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2025/07/21
5回も「調教師リーディング1位」になっとるんですわ
矢作芳人調教師(栗東)

主な管理馬:
パンサラッサ(2023年サウジCなど)
ラヴズオンリーユー(2021年ブリーダーズCフィリー&メアターフなど)
コントレイル(2020年ダービーなど)
リスグラシュー(2019年有馬記念など)

今週の主な登録馬:
ビダーヤ(東海S)
モズナナスター(TVh賞)
ツーネサーン(御在所特別)
ミッキーストライク(御在所特別)

担当者:調教師情報部 元調教師S

地方の大井競馬で調教師をやっとって、2000年から2009年まで、「全国公営競馬調教師連合会」の会長を務めとった矢作和人さんの息子として生まれた矢作芳人君は、毎年、東京大学に何人も合格者を出しとる開成高校を卒業した後、大学には行かんで競馬の世界に入ると、オーストラリアで馬のことを勉強して、それからは、皆さんもよう知っとるように、菅谷禎高(さだたか)厩舎とかで調教助手をやっとりましたな。

矢作君は、厩舎を開業した2005年に15勝を上げると、5年目やった2009年に、47勝を上げて調教師リーディング2位になっとったし、2013年の7月28日(日)には、「今までで2番目の早さ」でJRA通算300勝を達成したんですわ。

しかも彼は、厩舎の仕事で忙しい中、自分の経験を題材にした、「開成調教師」、「開成調教師の仕事」、「馬を語り、馬に学ぶ」っちゅう3冊の本を出しとって、スポーツ紙のコラムも書いとるんやから、物書きの才能もあるんでしょうな。

ちなみに矢作君は、「管理馬をできる限り多くのレースに出して、馬主さんにガッチリ賞金を稼いでもらいたい」っちゅう考えなんで、毎年のように「出走回数1位」を記録しとるんですわ。

実際、去年は、JRAだけで「474戦」もしとって、2番目に多い清水久詞厩舎は「449戦」と、かなり近い数字やったけど、3番目に多い美浦の斎藤誠厩舎が「409戦」やったんやから、どれだけ多かったんがよう分かりますな。

しかも、矢作君は、レースに馬を使う数が多いだけやなくて、

2011年のNHKマイルCなど、重賞を4勝したグランプリボス

2016年のドバイターフなど、重賞を3勝したリアルスティール

2018年の安田記念と2020年のフェブラリーSなど、重賞を3勝したモズアスコット

2019年の有馬記念など、重賞を6勝したリスグラシュー

2020年の牡馬三冠など、重賞を7勝したコントレイル

2021年のブリーダーズCフィリーズ&メアターフなど、重賞を5勝したラヴズオンリーユー

2021年のブリーダーズCディスタフなど、重賞を5勝したマルシュロレーヌ

2022年のドバイターフと2023年のサウジCなど、重賞を4勝したパンサラッサ

とか、国内だけやなくて海外でも活躍する馬を何頭も管理しとって、JRAでは、今までにGIを14勝もしとるし、他も入れたら、重賞を59回も勝っとるんやから、ホンマに大したもんですわ。

2014年の矢作君は、「54勝」を上げて、念願の調教師リーディング1位になっとったし、2016年は「57勝」を上げて、また1位になっとりました。

それに、去年までの6年間も、JRAで、

2019年→54勝・獲得賞金19億1331万円(調教師リーディング2位)
2020年→53勝・獲得賞金20億3556万円(同1位)
2021年→52勝・獲得賞金16億5818万円(同2位)
2022年→59勝・獲得賞金12億7726万円(同1位)
2023年→51勝・獲得賞金11億0206万円(同2位)
2024年→55勝・獲得賞金13億2907万円(同1位)

と書けば分かる通り、ずっとリーディングの上位に入っとって、特に去年は、海外で、フォーエバーヤングを使ったサウジダービー(G3)とUAEダービー(G2)を勝って、148万ドル(約2億2200万円)の賞金を稼いどったし、地方でも、ジャパンダートクラシック(JpnI)を勝って、7000万円の賞金を稼いどって、JRAでは、「5回目の調教師リーディング1位」になっとりましたな。

そんで今年は、海外で、シンエンペラーを使ったネオムターフC(G2)とフォーエバーヤングを使ったサウジC(G1)を勝って、この2レースで「約17億5000万円」の賞金を稼いどるんやけど、JRAでは、重賞を勝てとらんこともあって、先週までに稼いだ賞金が「5億6475万円」と、去年の同じ時期(7月21日【日】まで)の「6億2224万円」を下回っとるし、24勝しかできとらんこともあって、「調教師リーディング」では、32勝を上げて1位の杉山晴紀厩舎に8勝差を付けられとるんですわ。

もちろん、今の矢作君は、「早く巻き返さなアカン」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、1着賞金が3800万円の東海Sにビダーヤ、1着賞金が1840万円のTVh賞にモズナナスターなど、全部で4頭を賞金の高い特別レースに登録してきましたんで、どの馬にも注目しとった方がエエやろうな。

2025/07/21
「関電工」で経理の仕事をしてから厩務員課程に入って…
堀宣行調教師(美浦)

主な管理馬:
タスティエーラ(2023年ダービーなど)
カフェファラオ(2022年フェブラリーSなど)
サトノクラウン(2017年宝塚記念など)
モーリス(2016年天皇賞・秋など)

今週の主な登録馬:
カナテープ(関屋記念)
アパッシメント(出雲崎特別)
チザルピーノ(麒麟山特別)

担当者:調教師情報部 元調教師N

千葉県市川市出身の堀宣行(のりゆき)君は、日本大学の商学部に通っている時に、実家から近かった中山競馬場で、誘導馬の世話をするアルバイトをしていたんですよ。

大学を出た後は、電気設備の工事などをやっていることで有名な「関電工」(本社所在地:東京都港区芝浦)で、経理の仕事をしていたんですが、1991年に、「関電工」を辞めて競馬学校の厩務員課程に入ったように、中山競馬場でアルバイトをしていた頃から、「馬に関わる仕事をしたい」という気持ちがあったのでしょう。

競馬学校を出てからの堀君は、諏訪富三厩舎で厩務員をやって、二ノ宮敬宇(よしたか)厩舎で調教助手をやって、2003年に自分の厩舎を開業しました。

初めの年は、「6勝・獲得賞金1億2370万円」という成績でしたけど、次の年に、「16勝・獲得賞金2億2801万円」と大きく数字を伸ばすと、2005年からは、ずっと20勝以上をキープしていますし、ビーナスラインを使った2006年の函館スプリントSで初めて重賞を勝った堀君は、キンシャサノキセキを使った2010年の高松宮記念で初めてGIを勝っていて、その後も、ドゥラメンテを使った2015年のダービーと皐月賞を勝つなど、今までにJRAで、「GIの16勝を含めて重賞を78勝」という実績を残しています。

それに海外でも、モーリスやネオリアリズムなどでG1を7勝もしているのですから、本当に大したものです。

2015年は、ドゥラメンテやモーリスなどがよく走りましたから、JRAで「重賞8勝を含む54勝・獲得賞金15億2485万円」という成績を残して、初めて「調教師リーディング1位」になっていました。

その後は、

2016年→44勝・獲得賞金13億0934万円(リーディング5位)
2017年→48勝・獲得賞金11億3661万円(同4位)
2018年→49勝・獲得賞金7億4753万円(同5位)
2019年→54勝・獲得賞金9億7056万円(同2位)
2020年→48勝・獲得賞金12億0988万円(同3位)
2021年→35勝・獲得賞金8億2426万円(同14位)
2022年→34勝・獲得賞金11億3958万円(同18位)

と書けば分かる通り、「リーディング1位」を逃し続けていましたし、特に2021年と2022年は、「リーディングのトップ10」にも入れなかったんですけど、一昨年は、タスティエーラでダービーを勝つなど、重賞を4勝、全部で38勝を上げて、稼いだ賞金が「14億1416万円」と、2022年の数字を大きく上回って、調教師リーディングは9位になっています。

ただ、去年は、チャックネイトでアメリカJCCを勝って、シュトルーヴェで日経賞と目黒記念を勝つなど、重賞を7勝もして、全部で48勝を上げましたけど、GIを勝てなかったことなどが響いて、稼いだ賞金は「11億3877万円」と、一昨年を大きく下回ってしまったんですよ。

そして、今年も悪い流れが続いていて、海外で、タスティエーラを使ったクイーンエリザベス2世Cを勝って、1568万香港ドル(約3億円)の賞金を稼いでいますし、JRAでは、サクラトゥジュールで京都金杯を、サトノレーヴで高松宮記念を勝つなど、先週までに21勝を上げていますけど、去年は7勝もしていた重賞を、まだ2勝しかできていないこともあって、稼いだ賞金が「6億1847万円」と、去年の同じ時期(7月21日【日】まで)の「7億6400万円」を大きく下回っています。

もちろん、今の堀君は、「いい頃の勢いを取り戻したい」と考えているのでしょうし、そんな中、今週は、1着賞金が4100万円の関屋記念にカナテープなど、3頭を賞金の高い特別レースに登録してきましたので、どれもメイチに仕上げてくるでしょうね。

2025/07/21
サートゥルナーリアを担当しとりましたな
吉岡辰弥調教師(栗東)

主な管理馬:
ブローザホーン(2024年宝塚記念など)
ディスペランツァ(2024年アーリントンC)
ノーブルロジャー(2024年シンザン記念)
ジャスティンロック(2021年京都2歳S)

今週の主な登録馬:
フォーチュンタイム(関屋記念)
コンクイスタ(東海S)

担当者:調教師情報部 元調教師T

京都府京都市の伏見区向島(むかいじま)出身の吉岡辰弥君は、競馬好きのお父さんと京都競馬場に行ったのがきっかけで「騎手になりたい」と思うようになって、小学校6年生から競馬場の乗馬センターに通っとりました。

せやから、中学校3年生の時に競馬学校の騎手課程を受けたんやけど、そん時にはだいぶ身長が伸びとったし、試験に落ちてしもうたんで、目標を厩務員課程に切り替えて、中学校を卒業してすぐ、1973年のダービーと菊花賞を勝ったタケホープとかを生産したことでよう知られとる、北海道の浦河にある谷川牧場で働いとったんですわ。

そんで、まだ16歳やった、1993年の1月に競馬学校の厩務員課程に入って、同じ年の7月から藤岡範士(のりひと)厩舎で厩務員をやって、12月からは調教助手をやっとりました。

その後、2008年の3年に角居勝彦厩舎に移って、そこで10年くらい調教助手をやって、2018年の7月から、調教師の試験に受かった12月までは、中竹和也厩舎で調教助手をやっとったんですわ。

吉岡君が角居厩舎と中竹厩舎におった時には、走る馬を何頭も担当しとって、調教師の試験に受かったすぐ後、2018年のホープフルSを勝ったサートゥルナーリアも彼の担当馬でしたな。

試験に受かってから厩舎を開業するまでの間は、技術調教師として中内田充正厩舎に所属して、馬のことはもちろん、厩舎をどうやって運営したらエエんかなどを教わっとったし、角居厩舎のキセキがフランスに遠征した時に帯同して、海外経験も積んどったんですわ。

2020年の3月に自分の厩舎を開業した吉岡君は、トゥインクルリーフを使った3月15日(日)の中京6Rで、「JRA初出走・初勝利」を飾っとって、他も入れたら、年末までに「14勝・獲得賞金2億4590万円」っちゅう、最初の年としてはまずまずの成績を残しとりました。

2年目やった2021年は、スマッシャーを使ったユニコーンSで初めての重賞勝ちを飾ると、ジャスティンロックを使った京都2歳Sも勝つなど、「27勝・獲得賞金4億7586万円」っちゅう、前の年を大きく上回る成績を残しとったんですわ。

そんでもって2022年は、「22勝・獲得賞金3億7274万円」っちゅう成績で、2021年を大きく下回ってしもうたんやけど、一昨年は、「38勝・獲得賞金5億6780万円」っちゅう素晴らしい成績を残して、巻き返しに成功しとります。

それに、去年もエエ流れが続いとって、地方では、ディクテオンを使った白山大賞典を勝って、「3000万円」の賞金を稼いどったし、JRAでは、ブローザホーンを使った宝塚記念で「初のGI勝ち」を飾るなど、重賞を3勝して、他も入れたら32勝を上げて、稼いだ賞金が「9億1891万円」と、開業してから一番の数字になっとったんですわ。

ただ、今年は、先週までに10勝しかできとらんし、重賞を勝てとらんこともあって、稼いだ賞金が「2億7661万円」と、まだ去年の3割ぐらいなんで、今の吉岡君は、「去年の勢いを取り戻さなアカン」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、1着賞金が4100万円の関屋記念にフォーチュンタイム、1着賞金が3800万円の東海Sにコンクイスタを登録してきましたんで、ワシが吉岡君やったら、どっちも気合いを入れて仕上げますわ。

2025/07/21
長嶋茂雄さんと同じ高校の卒業生なんですよ
辻哲英調教師(美浦)

主な管理馬:
イミグラントソング(2025年ニュージーランドT)
ファンダム(2025年毎日杯)

今週の主な登録馬:
イミグラントソング(関屋記念)
ヤマニンアドホック(新潟日報賞・豊栄特別)
ヴィブラツィオーネ(木曾川特別)

担当者:調教師情報部 元調教師O

千葉県佐倉市出身の辻哲英君は、中山競馬場でレースを見たことがきっかけで、競馬の世界に興味を持って、小学校の卒業文集に、「将来の夢は厩務員」と書いていたそうなんですよ。

そして、「読売ジャイアンツ」で選手として大活躍して、監督もやっていた長嶋茂雄さんの出身校として有名で、地元では進学校としても有名な、千葉県立の佐倉高等学校を卒業した後は、青森県の十和田市にある北里大学の獣医学部に入学して、そこで獣医師の資格を取っていました。

大学を卒業した後は、2007年の7月に競馬学校の厩務員課程に入って、次の年の1月から加藤和宏厩舎で厩務員をやって、その後は、池上昌弘厩舎と大和田成厩舎と戸田博文厩舎で調教助手をやっていたんですよ。

辻君がいた頃の戸田厩舎には、2013年と2014年の天皇賞・春を連覇したフェノーメノとか、走る馬が何頭もいましたから、きっといい経験になったのでしょうね。

2回目の挑戦だった2019年に、めでたく調教師の試験に合格した辻君は、2021年に自分の厩舎を開業していて、同期の調教師には、伊坂重信君、四位洋文君、杉山佳明君、鈴木慎太郎君、田中克典君、茶木太樹君、辻野泰之君の7人がいます。

開業した2021年は、「5勝・獲得賞金1億2843万円」という成績でしたけど、その後の3年間は、

2022年→17勝・獲得賞金2億1949万円
2023年→16勝・獲得賞金2億6185万円
2024年→15勝・獲得賞金3億1235万円

という形で、順調に実績を積み重ねていました。

それに、今年もいい流れが続いていて、ファンダムを使った毎日杯で、初めての重賞勝ちを飾っていますし、その他にも、イミグラントソングでニュージーランドTを勝つなど、先週までに13勝を上げていて、稼いだ賞金が「3億0727万円」と、もう去年を上回るのは時間の問題になっていますから、もちろん、今の辻君は、「この勢いを止めたくない」と考えているのでしょう。

そういった中、今週は、1着賞金が4100万円の関屋記念にイミグラントソング、1着賞金が1840万円の新潟日報賞にヤマニンアドホック(豊栄特別にも登録)など、特別レースに3頭を登録してきましたので、「どれも勝負懸かり」と私は見ています。