「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2025/05/19
東京農工大学の馬術部に入っていたんですよ
森一誠調教師(美浦)

主な管理馬:
エンブロイダリー(2025年桜花賞など)
カビーズシスター(2024年カペラS)

今週の主な登録馬:
エンブロイダリー(オークス)
サフランヒーロー(火打山特別)

担当者:調教師情報部 元調教師M

森一誠(もり・かずとも)君は、山形県新庄市の出身で、高校生の時までは地元にいて、1993年、当時、「3強」と言われていた、ウイニングチケットとナリタタイシンとビワハヤヒデのレースを見たことや、その年の有馬記念でトウカイテイオーが勝ったのを見て、「競馬を仕事にしたい」と思ったそうで、実際、その後は、東京農工大学に進学して、馬術部に入っていました。

東京農工大学と言えば、アパパネやアーモンドアイなどでお馴染みの国枝栄君や、スマイルジャックなどを管理していて、去年、定年で引退した小桧山悟君も、ここの卒業生ですね。

ちなみに、今、「ノーザンファーム天栄」(住所:福島県岩瀬郡天栄村小川字中曽根1)で場長をやっている木實谷雄太(きみや・ゆうた)君も、東京農工大学の卒業生で、森君は、木實谷君にとって、「馬術部の先輩」なんですよ。

東京農工大学を卒業した後の森君は、2004年の4月に競馬学校の厩務員課程に入って、その年の7月から、堀宣行厩舎で厩務員と調教助手をやっていました。

森君がいた時の堀厩舎には、2015年の皐月賞とダービーを勝ったドゥラメンテや、2016年の天皇賞・秋などを勝ったモーリスとか、走る馬が何頭もいましたし、森君は、2019年の朝日杯FSを勝ったサリオスを担当していたんですよ。

それに、森君は、厩舎のスポークスマンとして、堀君の代わりにインタビューを受けることが何度もありましたから、森君の顔を知っている競馬ファンは多いのでしょうね。

そして、7回目の挑戦だった2022年の12月に、調教師の試験に受かった森君は、去年の3月に自分の厩舎を開業していて、同期の調教師には、小椋研介君、河嶋宏樹君、高橋一哉君、千葉直人君、福永祐一君、藤野健太君、矢嶋大樹君の7人がいます。

開業1年目だった去年の森君は、中野栄治厩舎から引き継いだガビーズシスターでカペラSを勝って、「初めての重賞勝ち」を飾るなど、全部で15勝を上げて、稼いだ賞金が「2億6318万円」という、最初の年としてはかなりいい成績を残していました。

こうやって、いいスタートを切れたのは、堀厩舎で学んだことをしっかりと活かせているからなのでしょうね。

それに、今年は更に勢いが増していて、エンブロイダリーでクイーンCを勝って、この馬を使った桜花賞で「初めてのGI勝ち」を飾るなど、先週までに7勝を上げて、稼いだ賞金が「3億1558万円」と、もう去年を大きく上回っていますから、もちろん、今の森君は、「この勢いを止めたくない」と考えているのでしょう。

そんな中、今週は、1着賞金が1億5000万円のオークスにエンブロイダリー、1着賞金が1550万円の火打山特別にサフランヒーローを登録してきましたので、私が彼でしたら、どっちも全力で仕上げますね。

2025/05/19
矢作芳人君とアメリカに行った理由は…
松下武士調教師(栗東)

主な管理馬:
ショウナンバルディ(2021年中日新聞杯)
ジョーカナチャン(2020年アイビスSD)
レシステンシア(2019年阪神ジュベナイルFなど)
カラクレナイ(2017年フィリーズレビュー)

今週の主な登録馬:
ビップデイジー(オークス)
ジューンアヲニヨシ(平安S・都大路S)

担当者:調教師情報部 元調教師S

大阪出身の松下武士君は、中学生の時から、実家の近くにあった乗馬クラブに通っとって、高校生になった頃には、「競馬の世界で働きたい」と考えとったそうや。

そんで、高校を出てからは牧場で働いて、2003年の7月に競馬学校の厩務員課程に入って、次の年の1月から安田伊佐夫厩舎で厩務員をやって、2月からは調教助手をやって、2008年のジャパンCダートで2着やったメイショウトウコンなどを担当しとりました。

その後は、武田博厩舎と清水久詞厩舎で調教助手をやって、5回目の挑戦やった2013年の12月に、32歳の若さで調教師の試験に受かっとります。

2015年の3月に厩舎を開業するまでの間、松下君は、矢作芳人厩舎で技術調教師をやって、矢作君と一緒に、アメリカの「キーンランド・セプテンバーセール」に行って馬の見方を教わったり、実際に厩舎をどうやって回したらエエんかなどを教わっとったんですわ。

ちなみに矢作君は、松下君の調教師試験に向けて、面接の練習を手伝っとったそうで、松下君はそのことを今でも感謝しとるし、「矢作先生を目標に頑張りたい」と話しとりましたな。

2015年の松下君は、小野幸治厩舎から引き継いだオースミムーンで6月の東京ジャンプSを勝って、早くも「初めての重賞勝ち」を飾っとったし、9月にもこの馬で阪神ジャンプSを勝つなど、全体で「14勝・獲得賞金2億4965万円」っちゅう数字を残しとって、2016年は、「27勝・獲得賞金3億7711万円」と、一気に数字を伸ばしとったんですわ。

それに、2021年までの5年間も、

2017年→16勝・獲得賞金3億6178万円
2018年→22勝・獲得賞金3億7402万円
2019年→20勝・獲得賞金5億0551万円
2020年→22勝・獲得賞金4億8365万円
2021年→21勝・獲得賞金5億8492万円

っちゅう安定した成績を残しとって、特に2019年は、レシステンシアを使った阪神ジュベナイルFで初めてのGI勝ちを飾っとったし、2021年は、阪急杯とセントウルSを勝ったレシステンシアや、中日新聞杯を勝ったショウナンバルディなどの活躍で、開業してから一番の賞金を稼いどりました。

ただ、去年までの3年間は、

2022年→19勝・獲得賞金4億1209万円
2023年→25勝・獲得賞金3億5793万円
2024年→23勝・獲得賞金4億0804万円

っちゅう形で数字が伸び悩んどったから、今年を迎えるにあたって、松下君は巻き返しに燃えとったんやろうな。

実際、今年は、ショウナンザナドゥでフィリーズレビューを勝つなど、先週までに8勝を上げて、稼いだ賞金が「1億7790万円」と、去年の同じ時期(ヴィクトリアマイルの週まで)の「1億0944万円」を大きく上回っとるんですわ。

もちろん、今の松下君は、「この勢いを止めたくない」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、1着賞金が1億5000万円のオークスにビップデイジー、1着賞金が3800万円の平安Sにジューンアヲニヨシ(都大路Sにも登録)を登録してきましたんで、「どっちも勝負懸かり」とワシは見とります。

2025/05/19
乗り役としてジャングルポケットで重賞を勝っとりますな
千田輝彦調教師(栗東)

主な管理馬:
タガノアザガル(2015年ファルコンS)

今週の主な登録馬:
タガノアビー(オークス)
パラディレーヌ(オークス)
ジャーヴィス(高瀬川S)
ドンアチェカ(聖護院特別)

担当者:調教師情報部 元調教師T

千田輝彦君は、1985年に競馬学校の騎手課程に「第4期生」として入って、エアグルーヴやファインモーションとかを管理しとったことでよう知られとる伊藤雄二さんの厩舎から、1988年に乗り役としてデビューしとって、1993年に落馬事故で亡くなってしもうた岡潤一郎君や、今は調教師をやっとる菊沢隆徳君や、今は調教助手をやっとる岸滋彦君とかが同期なんや。

乗り役やった頃の千田君は、スカーレットブーケに乗った1992年の京都牝馬特別(現在の京都牝馬S)で初めて重賞を勝つと、ユーセイフェアリーに乗った1992年の阪神牝馬特別(現在の阪神牝馬S)や、ジャングルポケットに乗った2000年の札幌3歳S(現在の札幌2歳S)とか、2008年の11月に引退するまでに、重賞を6勝しとって、通算で278勝を上げとりましたな。

乗り役を引退してからは、藤岡健一厩舎で調教助手をやって、2010年の2月に調教師の試験に受かって、次の年の3月に自分の厩舎を開業しとります。

最初の年は3勝止まりやったけど、2年目には18勝と一気に数字を伸ばしとったし、5年目やった2015年には、タガノアザガルを使ったファルコンSで初めて重賞を勝つなど、全部で13勝を上げて、「3億1488万円」の賞金を稼いどったし、2019年は、19勝を上げて、「3億1028万円」の賞金を稼いどりました。

そんでもって2022年は、11勝しかできなかったんやけど、オープンで4回も連に絡んだダディーズビビッドと、神戸新聞杯で2着に入ったヤマニンゼストの活躍などで、稼いだ賞金は「3億2953万円」と、三度目の「3億円超え」やったし、一昨年は、「26勝・獲得賞金5億8516万円」っちゅう成績で、勝利数と賞金のどっちも今までで一番の数字やったんや。

ただ、去年は勢いが止まっとって、全部で21勝を上げたんやけど、前の年に10勝もしとった特別レースが5勝だけやったこともあって、稼いだ賞金が「3億8525万円」と、一昨年を大きく下回ってしもうたんですわ。

もちろん、今年を迎えるにあたって、千田君は巻き返しに燃えとったんやろうし、実際、今年は、先週までに9勝を上げて、その他にも、パラディレーヌがフラワーCで2着に入っとることもあって、稼いだ賞金が「1億8895万円」と、去年の同じ時期(ヴィクトリアマイルの週まで)の「1億6901万円」を上回っとるから、今の千田君は、「この勢いを止めたくない」と考えとるんやろうな。

そんな中、今週は、1着賞金が1億5000万円のオークスにタガノアビーとパラディレーヌとか、特別レースに4頭を登録しとるんで、ワシが彼やったら、どれもメイチに仕上げますわ。

それに、千田君は、さっき書いた通り、重賞は勝っとるんやけど、まだGIを勝っとらんので、オークスに登録しとる2頭には、「厩舎に初めてのGI勝ちを」っちゅう思いも込められとるんやろ。

2025/05/19
伯父さんはライスシャワーの調教師なんですよ
手塚貴久調教師(美浦)

主な管理馬:
ユーバーレーベン(2021年オークス)
シュネルマイスター(2021年NHKマイルCなど)
フィエールマン(2019年天皇賞・春など)
アユサン(2013年桜花賞)

今週の主な登録馬:
ゴーソーファー(オークス)
ブラウンラチェット(オークス)
オーキッドロマンス(韋駄天S)
コンテソレーラ(石打特別)
ニシノエピカリ(カーネーションC)
レッドアーバイン(二王子特別)

担当者:調教師情報部 元調教師N

手塚貴久君は、地方の宇都宮競馬(2005年3月に廃止)で調教師をやっていた手塚佳彦さんの長男で、佳彦さんは、栃木県にあった足利競馬場と宇都宮競馬場で29連勝したドージマファイターを管理していたことでお馴染みですね。

お父さんの仕事を考えると意外ですが、手塚君は、ほとんど馬と関わらずに育ったそうで、慶応大学(本部所在地:東京都港区三田2-15-45)の商学部を卒業する前には、大手飲料メーカーなど、いくつかの会社から内定をもらっていて、そのままサラリーマンになる予定だったそうですよ。

でも、大学を卒業する前に、佳彦さんと行った北海道旅行で牧場を回ったのがきっかけで、「競馬の世界で働きたい」と思うようになったそうです。

そして、手塚君の伯父にあたる、ライスシャワーの調教師としてお馴染みだった飯塚好次(よしじ)さんに相談したところ、「それならJRAでやった方がいい」と言われて気持ちが決まったそうで、就職の内定を断って、当時、鵡川にあった西山牧場で1年くらい働いて、その後、1989年に競馬学校の厩務員課程に入りました。

ちなみに手塚君は、オーナーブリーダー・「ミルファーム」の代表をやっている清水敏(さとし)さんと大学の同期で仲が良くて、2005年の「三田祭」(慶応大学の学園祭)では、二人で一緒に講演会に出ていたんですよ。

競馬学校を出た後の手塚君は、相川勝敏さんの厩舎で厩務員をやって、佐藤全弘(まさひろ)さんの厩舎で調教助手をやって、1999年の3月に自分の厩舎を開業しました。

最初の年こそ8勝止まりでしたけど、その後は、2年目が10勝、3年目が15勝と、順調に勝ち星を伸ばしていて、2004年には30勝を上げていましたし、その後も、2010年が19勝だった以外は、毎年20勝以上しています。

それに、手塚君の厩舎は、開業1年目だった1999年に、ベルグチケットを使ったフェアリーSで初めて重賞を勝っていて、その後も、アルフレードを使った2011年の朝日杯FSや、アユサンを使った2013年の桜花賞や、アジアエクスプレスを使った2013年の朝日杯FSや、フィエールマンを使った2018年の菊花賞と2019年と2020年の天皇賞・春など、今までにJRAで、GIの9勝を含めて重賞を39勝もしていますし、2022年には、ウインマリリンを使った香港ヴァースで、「初めての海外G1勝ち」を飾っているんですよ。

その中でも、2021年は、ウインマリリンで日経賞とオールカマー、シュネルマイスターでNHKマイルCと毎日王冠、ユーバーレーベンでオークスを勝つなど、「重賞7勝を含む45勝・獲得賞金13億3529万円」という成績で、勝ち星と賞金のどっちも、今までで一番の数字でしたし、一昨年は、ソールオリエンスを使った皐月賞など、重賞を3勝、他も入れたら33勝を上げて、稼いだ賞金が「11億7308万円」と、2021年の次にいい数字でした。

ただ、去年は流れが悪くなっていて、34勝を上げましたけど、アルテミスSを勝ったブラウンラチェット以外の馬があまり活躍できなかったこともあって、稼いだ賞金が「7億7520万円」と、一昨年を大きく下回ってしまったんですよ。

もちろん、今年を迎えるにあたって、手塚君は巻き返しに燃えていたのでしょうし、実際、今年は、マスカレードボールで共同通信杯を勝つなど、先週までに15勝を上げて、稼いだ賞金が「3億4262万円」と、去年の同じ時期(ヴィクトリアマイルの週まで)の「2億3261万円」を上回っていますから、今の手塚君は、「この勢いを止めたくない」と考えているのでしょうね。

そんな中、今週は、1着賞金が1億5000万円のオークスにゴーソーファーとブラウンラチェット、1着賞金が2300万円の韋駄天Sにオーキッドロマンスなど、賞金の高い特別レースに6頭を登録していますから、「どれも勝負懸かり」と考えておくべきでしょうし、実際に手塚君がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せません。