「安定した利益獲得」と「究極のファンサービス」を目指し、完全無欠の情報網を構築
注目調教師
2025/09/16
神奈川大学を出てから北海道の牧場で働いていたんですよ
木村哲也調教師(美浦)

主な管理馬:
レガレイラ(2024年有馬記念など)
チェルヴィニア(2024年オークスなど)
イクイノックス(2023ジャパンCなど)
ステルヴィオ(2018年マイルCSなど)

今週の主な登録馬:
レガレイラ(オールカマー)

担当者:調教師情報部 元調教師M

木村哲也君は、神奈川県の出身で、家族や親戚に関係者がいた訳ではなく、お父さんがサラリーマンだったので、元々、競馬の世界に進むつもりはなくて、横浜市にある神奈川大学の工学部建築学科を出ていますし、馬に乗った経験も全くなかったそうです。

でも、急に馬と関わる仕事がしたくなって、一人で北海道に行って牧場で働いて、その後は、アイルランドに行って馬のことを学んでいたんですよ。

2000年の4月に競馬学校の厩務員課程に入った彼は、その年の10月から、1980年の中山記念を勝ったヨシノスキーや、1985年のクイーンSを勝ったアサクサスケールなどを管理していた、佐藤征助厩舎で厩務員をやって、次の年の5月からは、高橋裕(ゆたか)厩舎で調教助手をやっていました。

その後は、勢司和浩厩舎で調教助手と厩務員をやって、中川公成(ただしげ)厩舎で調教助手をやって、2010年の12月に調教師の試験に受かると、次の年の6月に自分の厩舎を開業しています。

初めの年は、「6勝・獲得賞金5941万円」という成績でしたけど、2年目は9勝、3年目は16勝と順調に数字を伸ばしていて、
2018年までの5年間も、

2014年→14勝・獲得賞金2億2627万円
2015年→31勝・獲得賞金4億8362万円
2016年→37勝・獲得賞金5億4819万円
2017年→33勝・獲得賞金5億8982万円
2018年→48勝・獲得賞金9億3209万円

という成績を残していましたし、特に2018年は、プリモシーンでフェアリーSと関屋記念を勝って、ステルヴィオでスプリングSとマイルCSを勝つなど、JRA賞の「最高勝率調教師」を受賞していたんですよ。

でも、その後の3年間は、

2019年→36勝・獲得賞金6億4672万円
2020年→34勝・獲得賞金7億1030万円
2021年→28勝・獲得賞金7億5700万円

と書けば分かる通りで、成績が伸び悩んでいました。

もちろん、2022年の木村君は、「必ず巻き返したい」と考えていたのでしょうし、実際、2022年は、ジオグリフで皐月賞を勝って、イクイノックスで天皇賞・秋と有馬記念を勝つなど、重賞を4勝、他も入れたら34勝を上げて、「16億4896万円」という、前の年までを大きく上回る賞金を稼いでいます。

それに、一昨年もいい流れが続いて、イクイノックスでドバイシーマクラシックを勝って、348万ドル(約4億5889万円)を稼いでいましたし、JRAでは、イクイノックスでジャパンCを勝つなど、重賞を8勝、他も入れたら44勝を上げて、稼いだ賞金が「18億6413万円」と、開業してから一番の数字で、2018年に続いて二度目の「最高勝率調教師」を受賞したんですよ。

そうそう、誰でもよく知っている通り、イクイノックスは、一昨年のジャパンCを最後に引退して種牡馬入りしましたから、去年の木村君は、「その分を他で稼ぎたい」と考えていたのでしょうし、実際、去年は、チェルヴィニアでオークスと秋華賞、レガレイラで有馬記念を勝つなど、全部で36勝を上げて、稼いだ賞金は「16億3280万円」という、開業してから三番目にいい数字でした。

ただ、今年は少し勢いがなくなっていて、コスタノヴァで根岸SとフェブラリーSを、ヘデントールでダイヤモンドSと天皇賞・春を勝つなど、先週までに30勝を上げていますけど、6月以降は重賞を勝てていないことなどから、稼いだ賞金が「9億1704万円」と、まだ去年の半分くらいですから、今の木村君は、「大きいレースを勝って一気に巻き返したい」と考えているのでしょうね。

そういった中、今週は、1着賞金が6700万円のオールカマーにレガレイラを登録していますので、私が木村君でしたら、この馬を全力で仕上げるのは間違いありません。

2025/09/16
調教助手時代に担当馬が菊花賞を勝っとりますな
杉山晴紀調教師(栗東)

主な管理馬:
ルガル(2024年スプリンターズSなど)
ジャスティンパレス(2023年天皇賞・春など)
デアリングタクト(2020年オークスなど)
ケイティブレイブ(2018年JBCクラシックなど)

今週の主な登録馬:
ジョバンニ(神戸新聞杯)
キャピタルサックス(大阪スポーツ杯)

担当者:調教師情報部 元調教師T

1981年に神奈川県で生まれた杉山晴紀君は、家族や親戚に関係者がおった訳やなくて、親父さんがサラリーマンっちゅう普通の家庭で育ったそうや。

彼が中学生の頃は、JRAの売上げが4兆円を超えとった時代で、競馬に興味がある同級生が何人もおったから、杉山君もレースを見るようになったそうやな。

中学3年生の時、ダンスインザダークが勝った1996年の菊花賞を見て、「競馬の世界で働きたい」って思うようになった杉山君は、最初、乗り役を目指しとったんやけど、それには体が重過ぎたんで、結局、中学校の終わり頃から調教助手を目指すようになって、実際、そのことを中学校の卒業アルバムに書いとったそうですわ。

でもって彼は、中学校を卒業したら、そのまま牧場で働いて、競馬学校に行くつもりやったけど、ご両親から「高校だけは出ておきなさい」と言われたんで、地元の公立高校に通いながら、毎日、乗馬クラブで練習しとったそうやな。

高校を卒業してから、すぐに「小松温泉牧場」(石川県小松市・現在の小松トレーニングセンター)で研修生として働き始めた杉山君は、競馬学校の厩務員課程に受かった2004年までの4年間をここで過ごしたんですわ。

その頃は、2000年の武蔵野Sなどを勝ったサンフォードシチーや、2002年の産経大阪杯など重賞を3勝したサンライズペガサスとかが調整に来とって、彼も乗っとったそうやな。

で、2004年の7月から武宏平厩舎で厩務員をやって、8月から調教助手をやって、2014年の2月に武さんが定年で引退してからは、高橋康之厩舎におったんや。

武厩舎でスリーロールスを担当しとった杉山君は、この馬が2009年の菊花賞を勝ったことがきっかけで、「調教師になりたい」と本気で思うようになって、それからは、調教師になるため、厩舎の仕事をしながら猛勉強して、5回目の挑戦やった2015年の12月に、めでたく試験に受かったんですわ。

この後、杉山君は、厩舎の開業が2年待ちになる予定やったけど、馬に蹴られて大ケガをしてしもうた日吉正和君が勇退することになったんで、日吉厩舎の馬とスタッフを丸々引き継ぐ形で、2016年の10月21日(金)に自分の厩舎を開業しとります。

結局、2016年は開業が遅かったんで、年末までが「3勝・獲得賞金5462万円」っちゅう成績やったけど、2017年は、「18勝・獲得賞金2億7649万円」と、一気に数字を伸ばしとりました。

それから、一昨年までの6年間は、

2018年→19勝・獲得賞金4億8159万円
2019年→30勝・獲得賞金5億7709万円
2020年→42勝・獲得賞金11億4271万円
2021年→37勝・獲得賞金8億0939万円
2022年→47勝・獲得賞金11億7224万円
2023年→55勝・獲得賞金15億6006万円

っちゅう形で、2021年以外は賞金が「右肩上がり」になっとって、2020年にはデアリングタクトで牝馬三冠を勝っとるし、一昨年は、初めて「調教師リーディング1位」になっとって、賞金も今までで一番の数字だったんや。

ただ、去年は、53勝を上げたんやけど、調教師リーディングでは、55勝を上げて1位やった矢作芳人厩舎に2勝の差を付けられた3位やったし、根岸Sと武蔵野Sを勝ったエンペラーワケアと、シルクロードSとスプリンターズSを勝ったルガル以外の馬がイマイチやったこともあって、稼いだ賞金が「14億3402万円」と、一昨年を下回っとったんですわ。

もちろん、今年を迎えるにあたって、杉山君は巻き返しに燃えとったんやろうし、実際、今年は、エリカエクスプレスでフェアリーSを、サトノシャイニングできさらぎ賞を勝つなど、先週までに40勝を上げて、「調教師リーディング1位」になっとるし、稼いだ賞金が「10億0179万円」と、去年の同じ時期(9月16日【月】まで)の「6億9813万円」を大きく上回っとるんで、今の杉山君は、「この勢いを止めたくない」と考えとるんやろ。

こういった中、今週は、1着賞金が5400万円の神戸新聞杯にジョバンニ、1着賞金が1840万円の大阪スポーツ杯にキャピタルサックスを登録してきましたんで、ワシが杉山君やったら、どっちも気合いを入れて仕上げますわ。

2025/09/16
岩手大学の農学部を卒業しています
尾関知人調教師(美浦)

主な管理馬:
ドゥレッツァ(2023年菊花賞)
グローリーヴェイズ(2021年香港ヴァーズなど)
レッドファルクス(2017年スプリンターズSなど)
サクラゴスペル(2015年京王杯SCなど)

今週の主な登録馬:
クロミナンス(オールカマー)

担当者:調教師情報部 元調教師N

千葉県出身の尾関知人君は、高校生の時に、映画化もされた宮本輝さんの小説・「優駿」を読んだことがきっかけで、「競馬の世界で働きたい」と思うようになって、岩手大学農学部の獣医学科に進んで、その先輩に、2018年の2月に定年で調教師を引退した和田正道さんがいて、和田さんに進路の相談をしたら、同じ大学の卒業生が獣医をやっていた「ノーザンファーム空港」(住所:北海道苫小牧市美沢114-2)を紹介してもらって、卒業した後はそこで働いていたんですよ。

「ノーザンファーム空港」にいた時は、調整のためにいたスペシャルウィークやグラスワンダーやエアグルーヴなど、走る馬を間近で見られたそうで、これは尾関君にとっていい経験になったのでしょう。

その後は、1999年にJRA競馬学校の厩務員課程を出て、藤沢和雄厩舎と藤原辰雄厩舎で調教厩務員をやってから、和田正道厩舎で調教助手をやった後、2002年から自分の厩舎を開業した2009年まで、大久保洋吉厩舎で調教助手をやっていました。

尾関君の厩舎は、開業した年こそ7勝止まりでしたけど、次の年からは、

2010年→15勝・獲得賞金1億6456万円
2011年→19勝・獲得賞金2億4447万円
2012年→36勝・獲得賞金4億1969万円

と、毎年のように成績を伸ばしていて、2012年は、関東リーディングで、藤沢君と堀君と国枝君に次ぐ4位になっていました。

これは、「ノーザンファーム空港」で経験したことや、大久保洋吉厩舎にいた時に、2002年の高松宮記念を勝ったショウナンカンプや、2004年の青葉賞を勝ったハイアーゲームや、2004年の阪神ジュベナイルFを勝ったショウナンパントルなど、走る馬を間近で見ていたことを、しっかり活かせているからなのでしょうね。

2016年の尾関君は、レッドファルクスでスプリンターズSとCBC賞を勝つなど、全部で35勝を上げて、「6億4832万円」の賞金を稼いでいました。

その後の4年間は、

2017年→26勝・獲得賞金5億8711万円
2018年→26勝・獲得賞金4億3468万円
2019年→23勝・獲得賞金5億1129万円
2020年→24勝・獲得賞金4億7843万円

という形で伸び悩んでいましたし、2021年は、グローリーヴェイズで香港ヴァーズを勝ちましたけど、JRAでは、「14勝・獲得賞金3億1292万円」という物足りない成績に終わっています。

もちろん、2022年の尾関君は、「キッチリ巻き返したい」と考えていたのでしょうし、実際、2022年は、「20勝・獲得賞金3億6856万円」という成績で、2021年を上回っていました。

それに、一昨年もいい流れが続いていて、ドゥレッツァで菊花賞を勝って、スルーセブンシーズで中山牝馬Sを勝つなど、全部で20勝を上げて、稼いだ賞金は「6億4958万円」と、今までで一番の数字でしたし、去年は、23勝を上げて、その他にも、ドゥレッツァがジャパンCで2着(同着)に来たこともあって、稼いだ賞金が「6億4010万円」と、一昨年とあまり変わらない数字だったんですよ。

ただ、今年は勢いが止まっていて、先週までに10勝を上げていますけど、重賞を勝てていないこともあって、稼いだ賞金が「1億7328万円」と、去年のペースを大きく下回っていますから、今の尾関君は、「去年までの勢いを取り戻したい」と考えているのでしょう。

こういった中、今週は、1着賞金が6700万円のオールカマーにクロミナンスを登録していますので、「勝負懸かり」と考えるべきでしょうし、実際に彼がどう仕上げてくるのか、最後まで目が離せませんね。

2025/09/16
親父さんがカルストンライトオの馬主さんなんですわ
清水久詞調教師(栗東)

主な管理馬:
メールドグラース(2019年鳴尾記念など)
ジョークリストリ(2017年ニュージーランドT)
キタサンブラック(2016年ジャパンCなど)
トウケイヘイロー(2013年札幌記念など)

今週の主な登録馬:
アルマデオロ(神戸新聞杯)

担当者:調教師情報部 元調教師S

清水久詞君は、親父さんの貞光さんが馬主さんで、2004年のスプリンターズSを勝ったカルストンライトオとかを持っとった方やから、もちろん、清水君も馬に関わる機会が多かったんで、子供の頃から「騎手になりたい」と言っとって、幼稚園で七夕の短冊にそう書いとったそうや。

そんで、小5からは乗馬クラブに通っとったんやけど、中3の時、競馬学校の騎手課程に落ちてしもうたんですわ。

それからは、「調教師になる」と目標を切り替えて、栗東高校に通いながら、当時、親父さんがやっとった育成牧場を手伝っとりました。

高校を出た後も親父さんの育成牧場で働いて、24歳だった1997年に競馬学校の厩務員課程に入った清水君は、1993年の菊花賞とかGIを3つ勝ったビワハヤヒデや、1995年の阪神3歳牝馬S(今の阪神ジュベナイルF)を勝ったビワハイジとかを管理しとった浜田光正さんの厩舎でずっと調教助手をやっとったんや。

この頃に、1998年の桜花賞と秋華賞や、2000年のエリザベス女王杯を勝ったファレノプシスを担当しとったことは、皆さんもよう知っとるやろう。

そんで清水君は、1998年の2月まで乗り役をやっとった押田年朗さんの娘さんで、親父さんと同じで乗り役やった純子さんと結婚しとって、清水厩舎で調教助手をやっとる押田道郎君は純子さんのお兄さんですな。

7回目の挑戦やった2009年に、めでたく調教師の試験に受かって、その年の6月に自分の厩舎を開業した清水君は、5年目の2013年に、トウケイヘイローを使ったダービー卿CTで初めて重賞を勝っとったし、その年は、この馬で他に3つも重賞を勝つなど、「23勝・獲得賞金4億8941万円」っちゅう成績を残しとりました。

それに2015年は、キタサンブラックを使った菊花賞で初めてGIを勝つなど、「26勝・獲得賞金7億2208万円」っちゅう成績を残しとったし、2016年は、キタサンブラックで天皇賞・春と京都大賞典とジャパンCを勝つなど、「27勝・獲得賞金11億1410万円」っちゅうエエ成績を残しとりましたな。

そんで2017年は、キタサンブラックを使った大阪杯と天皇賞・春と天皇賞・秋と有馬記念と、ジョーストリクトリを使ったニュージーランドTと、カシアスを使った函館2歳Sと、重賞を6勝、他も入れたら29勝を上げて、「13億8947万円」っちゅう、今までで一番の賞金を稼いどったんですわ。

キタサンブラックを引退させた後の3年間は、

2018年→21勝・獲得賞金4億0492万円
2019年→32勝・獲得賞金6億9307万円
2020年→37勝・獲得賞金6億8355万円

と書けば分かる通り、賞金が一気に減ってしもうたんやけど、2021年は「42勝・獲得賞金7億5489万円」っちゅう、前の3年を大きく上回る成績を残しとって、2022年は、今までで一番多い「52勝」を上げて「調教師リーディング2位」になっとったし、ホッコーメヴィウスが障害の重賞を3勝したこともあって、稼いだ賞金が「10億2304万円」っちゅう、2017年と2016年の次に多い数字やったんですわ。

ただ、去年までの2年間は、

2023年→39勝・獲得賞金8億5528万円
2024年→34勝・獲得賞金9億1213万円

っちゅう形で、2022年の成績を下回っとります。

それに、今年も悪い流れが続いとって、先週までに23勝を上げとるんやけど、日経賞を勝ったマイネルエンペラー以外の馬があまり活躍できとらんこともあって、稼いだ賞金が「5億6443万円」と、去年の同じ時期(9月16日【日】まで)の「6億2022万円」を下回っとるから、今の清水君は、「エエ頃の勢いを取り戻したい」と考えとるんやろ。

そんな中、今週は、1着賞金が5400万円の神戸新聞杯にアルマデオロを登録してきましたんで、メイチに仕上げてくるやろうな。